備前は、丹波、伊賀、信楽、珠洲などとともに須恵系の窯として中世期以来続いた代表的な古窯です。酸化焔焼成を基本とし、室町時代後期までは、特殊な作例を除いて主として甕、壷、擂鉢などを焼成し、成形は輪積轆轤仕上げでありました。ところが、室町時代後期に至りますと、 侘茶の世界で用いられるようになり、さらに都会文化と接触してその作風は大きく変化しました。もちろん、侘茶の世界が認めたのは、焼締めによる素朴で寂びた味わいのある質感でしたから、基本的な焼成技術は変わりませんでしたが、純然とした茶道具が焼かれるようになったのです。茶壷、花生、水指、茶入、茶碗、建水、さらに皿や鉢、徳利などを焼くようになりました。室町後期以後も民具を生産してはいますが、桃山という時代的特色を明確に示した代表的な作品は、やはり茶陶であったといえます。茶陶として使われているもののなかには、民具として生まれたものもかなり含まれていると思われますが、桃山の作品は、民具といえども中世のものとは違って、洗練され、器形も多様です。
土の話
ここで掲載されている画像の陶片は焼成後外部の空気に触れていない(浸食されていない)部分を確認するために器を割って断面を撮影しています。400年前の焼けた状態を確認できます。 古唐津斑唐津ぐい呑陶片 まず、掲載した画像は鬼