◇御所丸(ごしょまる)、古田織部(ふるたおりべ)の意匠を手本により、朝鮮半島南部の釜山近郊の金海で制作されたと伝えられます。沓形茶碗の一種。御所丸茶碗
御本茶碗の一手。茶碗の形、意匠の手本を朝鮮に送って作らせたものを御本茶碗というが、御所丸はその最も早い例です。
御所丸の名称は、古くから対鮮貿易船につけられた名で、文禄・慶長の役(1591~1598)の際、島津義弘がこの手の茶碗を朝鮮で焼かせ、それを御所丸船に託して秀吉に献上したという伝承から起ったという。
◇沓形(くつがた)とは形が米粒の形とか神主がはく履き物の形からと言う説があります。
丸い形を基本とする唐津風の製作法に織部好みとされる歪んだ様が合わさり楕円に変形させています。これは織部等の手練制作の沓茶碗とは違った、轆轤の妙技が入った唐津ならではの沓形茶碗となりそれが見所となります。
◇火間(ひま)とは、上釉の掛からない箇所で素地が露出して赤く焼けた状態や上釉がはげたり縮んだりして火色の出た部分を言います。
本来は作者が釉掛けの時に無意識のうちに掛け損じてそのまま焼き上がった物で、本来は欠陥品のようですが、それもまた景色として面白いという事で先人のお茶人達が持て囃したことで、この装飾名が残っています。
これも日本人特有の美意識が粋で使う呼び名だと思います。