信楽茶碗 銘花橘 101

信楽茶碗 銘花橘 101

高さ7.3cm 口径11.7×14.2cm 高台径4.6cm
 遠州切形によるいわゆる遠州好みの茶碗として著名なもので、『遠州蔵帳』に「花橘信楽箱宗甫公(歌)袋蝦夷錦」とあります。口を撫角の長四方にとり、その長辺二方に浅い切込みをつけて。いわゆる筆洗形にした茶碗で、付高台も撫四方にし、三方に切込みをつけて割高台風にしています。まさに遠州切形の伝えにふさわしい蕭酒な作振りの茶碗であります。信楽には他にもこのような筆洗形の茶碗をいくつも見るが、あるいはこれを祖形としたものかもしれません。きめの細かい土膚はかたく焼き締まり、内面と胴の一方に若草色の灰釉がかかり、内面は見込みに釉がたまって美しいガラス状をなしています。素地膚は赤く焦げていますので、全体に優美な景色をなした茶碗であります。
 内箱の蓋表に金粉字形で「花橘」、蓋裏に「むかしをは花橘のなかりせは何につけてか思ひ出まし」の歌が記されていますが、筆者は小堀遠州と伝えられます。遠州以後の伝来は不詳だが、明治以後に赤星弥之助家、上野与吉家、藤田徳次郎家などを転伝しました。

About the author: Yoshihisa Tsuruta

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