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鶴田 純久の章 お話

付属物 箱 桐 白木 書付 小堀権十郎筆
寸法
高さ:8.2ー8.9cm 口径:12.5―13.0cm 高台径:6.2ー6.6cm 同高さ:0.4―0.7cm 重さ:525g

 筆者は、昭和十五年の鴻池家の売立ての際、この茶碗をはじめ見て感動しました。
鼠志野茶碗の中では、逸品中の逸品です。
 前に記したとおり、同じ陶片を昭和七年の窯下窯の発掘で得ていますから、なおさら印象をふかめたのでしょう。
 この茶碗が名碗たる所以の第一は作域、第二は焼き上がりの色調にある。
 美濃の窯下窯で造られた当時の鼠志野茶碗に、共通していえることですが、黒みをおびた鼠色の中に、寂びがかった赤味が強烈にひそんでいることです。一見、真っ赤ではないかと思われるほどの力で迫ってくるものをもっています。口径が13センチもあって、実に堂々とした名碗です。
 この「横雲」は、その赤が横筋になって幾筋も現われていますが、これを夕焼雲と見たのでしょう。

横雲 よこぐも

鼠志野 銘横雲
鼠志野 銘横雲

鼠志野茶碗。
鼠志野中の逸品。
理由の第一は作行き、第二は焼き上がりの色調にある。
美濃大萱の窯下窯でつくられた当時の鼠志野茶碗に共通していえることだが、黒みを帯びた鼠色の中に、寂びがかった赤みが強烈にひそんでいる。
一見、真赤ではないかと思われるほどの色彩は迫力をもつ。
その赤が横筋になって幾筋も現われているが、これを夕焼雲と見立て「横雲」と命銘したのであろう。
口径が大きく堂々とした茶碗である。
【付属物】箱-桐白木、書付小堀権十郎筆
【寸法】高さ8.2~8.9 口径12.5~13.0 高台径6.2~6.6 同高さ0.4~0.7 重さ525

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