備前車軸水指 びぜんしやじくみずさし

備前車軸水指 びぜんしやじくみずさし
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鶴田 純久の章 お話
備前車軸水指 びぜんしやじくみずさし
備前車軸水指 びぜんしやじくみずさし

共蓋。
車軸形の重量感あふれる豪快なもの。
腰周りを広く、いったん胴体せめて立ち上がらせ、さらに口帯をひろげています。
特別大きくみえる共蓋の摘みの力強さが、よくこの全体の姿を押えて泰然たるおさまりを示しています。
焼き締め土の味わい、自然釉のむらむら、その素朴な肌合いと色感、非凡な備前工人の腕前をみせ、天工と人工の巧みな合一境を出しています。
この手の備前は、前代の民具から見立てられたものと違い、明らかに茶をねらった作で、時代は桃山、当時諸方の窯で行なわれた織部意識の強くかかったものです。
いわゆる大窯の初期、土は粘力のある黒色の田土。
【寸法】 高さ:10.2 口径:14.9
【所蔵】 静嘉堂

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