黒茶碗 113

黒茶碗 113
黒茶碗 113
ライン

高さ8.3~9.5cm 口径12.0~13.3cm 高台径5.5cm
 腰にきっかりと稜をつけた半筒形の茶碗で、胴に僅かにふくらみをもたせつつ、口部にかけて開きぎみに立ち上がっている。「七里」や「加賀」などと同形の光悦独特の半筒形茶碗で、ことに関東大震災で欠失した「鉄壁」とはまったく同様の作振りのように思われる。
高台は低く、くっきりと円形に作られ、畳付も平らである。そして高台内の削り込みは「七里」や「加賀光悦」とよく似て、もっとも光悦の手ぐせのよく示されているところである。総体に「雨雲」や「七里」と同質のノンコウ風の黒和がかかっているが、随所に火間が生じて鉄色に焼き上がった土膚を見せている。高台畳付に五つ目跡が残り、見込も「七里」や「雨雲」あるいは「不二山」と同じく、ややまるみをつけつつほぼ平らに作られている。素朴な箱行きの内箱蓋裏に「従本阿弥氏当院寄付伝来可為者也 明和初年二月 紫野独庵識」と書付されているが、独庵は明和頃に徳禅寺に住した僧である。したがって、この茶碗は本阿弥家から徳禅寺に寄進されたものであったと推測される。

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About the author : Yoshihisa Tsuruta