割竹式 わりだけしき

marusankakusikaku
鶴田 純久
鶴田 純久

その形状が竹筒を二つに割ってこれを傾斜面に伏せたような連房式登窯。
北朝鮮地方の磁器窯はおおむね割竹式、窯床が無段式であります。
また肥前国(佐賀県)鬼子嶽初期の古窯にも割竹式があるようで、これらは火床をもった有段式であります。
まず土を地上に積み重ねて細長い斜面の台をつくり、その中に勾配のある浅い溝をつきます。
この溝の左右の両壁より粘土で胃隆の天井を架け、前方の最低所に焚き口を設け、後方の最高所の後壁に煙出孔を設けます。
窯の内部は隔壁で十数室に区画します。
隔壁はあたかも竹に節のあるさまと似ています。
1970年(昭和四五)9月、中央自動車道開設に伴う岐阜県土岐市定林寺地区窯跡調査により、同地東洞および西洞に、半地下式連房無段割竹窯が四基発見されました。
これは唐津や有田地方にもその例を見ないもので、美濃地方が古くから北朝鮮の陶法を受け入れていた事実を立証するものと考えられます。

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