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鶴田 純久の章 お話
黒茶碗 銘更衣 040

高さ8.2cm 口径9.6~10.4cm 高台径5.6cm 端然とした穏和な趣の茶碗です。口部は僅かに内に抱え、胴の一方をやや深く引き締めています。腰はくっきりと曲がり、高台畳付はまるく、高台内に兜巾が低く立っています。見込みの茶溜りは浅く、「面影」とよく似た作りです。総体にかかった黒柚もにぷく発色して、一部に黄褐色の斑が生じています。内箱蓋裏に「茶碗 更衣(花押)」と宗旦が書き付け、蓋表に「甚右へ 不」とやはり宗且が書き付けています。「甚右」とは官休庵の一翁宗守のことですから、おそらく宗旦から宗守に贈られたものと考えられます。外箱蓋裏には「黒茶碗 昔焼 更衣 右内箱宗旦書付也 蓋上に甚右ヘトアリ 左(花押)」と覚々斎原叟が書き付けています。

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