古唐津古窯跡地でほぼ共通しています。大きさや焼方は色々有るけれども片口の作り方は同じようです。
水切りは抜群に機能しています。現在は装飾のため片口が造られていますが、元々用をなすために造られた片口で四百年前はそれが当たり前であったようです。
水切りの秘密は片口の口先が尖っている所です。それは、急須の口や徳利の口作りなど液を使う器物に共通していることです。ましてや茶碗などの液を呑む器にも言えることで、呑みやすいと云うことは共通性があるようです。
◇唐津焼での片口(かたくち)とは
台所用具の一つ。鉢の一方に注ぎ口があり、油・酒・醤油などの液体を口の小さい容器に移すときに、液が器外に漏れないように直接に容器にいれずに、まずこの片口にとり出してから徳利などに注ぎ分ける為の容器でした。
そのような用途の台所用品だった片口を、正式の懐石の場に取り上げた昔の茶人の粋を感じます。
一般に尾張地方(愛知県)及びその系統の片口は縁を曲げて片口造りをしていますが、唐津の片口は新たな土で片口を造り穴を開け接着する作り方をしています。この片口の造り方は日本では唐津がもっとも古く、茶道において片口を侘びの茶碗に用いることがありますが、これはほとんど唐津の茶碗に限られていたようです。