鰄(梅花皮)
鰄は、訓読み。本来、「東南アジア原産の鮫類の皮で、アカエイに似た魚の背皮」を意味するようです。その皮で、刀剣の柄や鞘や、装飾品に用いられたといいます。
梅花皮は、当て字で熟字訓。この皮が、梅の花形の粒状の突起がある魚の皮であることから。また、表面が、このような粒状突起がある陶磁器も言います。これは、 陶磁器の釉が縮れて粒状になったもの。釉の様子が鮫の皮の凹凸状態に似ているところからそう呼ばれるようになりました。特に器の見所の一つとされています。
陶磁器の釉薬とは焼成温度が上がるにつれ、まず収縮しその後水飴のように熔けて広がり釉化(ガラス化)し凝固するという性質の中で、熔けて広がる手前で冷却されてそのまま残るものです。
特に有名なものとして古陶器の李朝系(朝鮮半島)の井戸茶碗などが挙げられます。
陶磁器を鑑賞する上で、完璧さや綺麗さ華やかさからいうと未完成だと思いますが、そういった未完成さを日本人特有の美的感覚から「あじ」と考えられ、またこの未完成な模様の名前に梅花皮(カイラギと読む)としたところにも昔の茶人の粋を感じます。
梅花皮の釉薬とは、釉薬の縮れが土の荒さに比例するところで唐津焼とか萩焼など砂毛の多い土で作成されている産地に多く見受けられます。
片口の水切り
古唐津古窯跡地でほぼ共通しています。大きさや焼方は色々有るけれども片口の作り方は同じようです。水切りは抜群に機能しています。現在は装飾のため片口が造られていますが、元々用をなすために造られた片口で四百年前はそれが当たり