画像では、陶石の塊(岩石)を知人の薪窯で焼成して貰ったもので、燃料である焚き木にたまたま釘が刺さっていたようで薪と一緒に窯の中へ、陶石の上で燃えたようです。その釘は鉄だったようで陶石の中に溶け食い込んでいました。
私が以前より唱えていた窯業の世界での3つの要素と役割、まず主原料となる珪石分(シリカ)の仲間、それを溶かす役割アルカリ成分の仲間、それを溶かすのを助ける役割アルミナ分の仲間。
溶かす役割の仲間には石灰・塩・土灰などがあり薪の灰などはこの仲間です。
溶かすのを助ける仲間はアルミナ・第二酸化鉄など酸化金属などが仲間です。
それぞれの原料単独では溶けず、三位一体でよりよく溶けるようです。
この画像の現象から察するに、陶石の塊はそれ自体が溶けて良く焼〆まています。それは陶石自体が前記の3成分がほどよく配合された天然の岩石で、生地としては最適の成分です。
その生地としては最適の成分に薪の灰(アルカリ成分)がかかり溶け合わさりガラス化します。釉薬になるわけです。
さらに釘(鉄)が乗っかり接触面で成分が溶け合わされ、氷が溶けるがごとく釘の部分だけ浸食されたように食い込んでいきます。溶かすのを助ける仲間「鉄」がさらに溶けるのを助け溶かしていった現象です。
まさに鉄が石を溶かすということです。
片口の水切り
古唐津古窯跡地でほぼ共通しています。大きさや焼方は色々有るけれども片口の作り方は同じようです。水切りは抜群に機能しています。現在は装飾のため片口が造られていますが、元々用をなすために造られた片口で四百年前はそれが当たり