Large deep bowl with flower-and-bird design, enamelled ware
Mouth diameter 30.1cm MOA Museum of Art
高さ36.3cm 口径30.1cm 底径16.5cm
MOA美術館
獅子の紐のついた共蓋の大深鉢で、蓋、身とも一方に菊文様、他方には牡丹文を配しています。二羽の鳥が宿った太湖石を中心に枝を左右にのばした構成は、寛文から元禄頃にかけての柿右衛門様式の典型的な意匠でありますが、彩色はそれぞれに若干の違いがあります。
共蓋の色絵大深鉢は、わが国ではこの作品のほかに梅沢記念館に一点蔵されています。他にニューヨークのロックフェラー・コレクションに一点あり、ヨーロッパでは蓋のないものがイギリスに数点あるらしく、フランスのルーブル美術館にも一点蔵されています。ヨーロッパにあるものは、いずれも金具で台や把手をつけて室内の装飾に供されたらしく、この深鉢もかつてはそのようでありましたと思われます。このような大振りの蓋のついた形式は、ヨーロッパからの注文によるものであり、オランダ東印度会社が康熙年間の前期に中国の景徳鎮に注文したものにも類似の形のものがあります。