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鶴田 純久の章 お話
常滑 壺
常滑 壺

Tokoname ware: jar. 13th century. Height 37.8cm.
13世紀
高さ37.8cm 口径18.1cm 胴径32.0cm 底径14.0cm
 比較的数多い完器のうちでも、最も雄渾な姿をした壺です。細くしぼった口頸部の端をN字状に折り返して幅1.7cmの縁帯を設けており、つよく張った肩から小さい底部に向けて流れる胴の線は鎌倉時代中期の典型的な形態を表わしています。鉄分の多い常滑特有の粗い土を用い、胴部三段・肩・口頸部の五段接ぎ成形で器面は刷毛目整形を施しています。焼き上がりはきわめて良く、黒褐色の器肌の肩から胴にかけて流れ落ちるような濃緑の自然釉は、この壺をいっそう力強いものにしています。強い火のために底部は焼け歪み、焼台に用いられた陶片が付着しています。

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