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鶴田 純久の章 お話

名物。朝鮮茶碗、青井戸。口縁から胴体にかけて一つのひびきがある。趣のある景色をしているために有栖川宮熾仁親王の箱書付「ふるきより今も名にさへひかせてこたまと人のいひならしけむ」の歌がある。もと姫路藩老河合隼之助の所持、京都の茶道具商松岡嘉兵衛に伝わり久しく愛蔵するところであったが、加賀金沢の数寄者亀田純蔵の懇望によってこれを譲った。これを送る時水天宮の守札を入れて無事に安着することを祈ったなどの話は、これがいかに尊重されていた名器であるかを知ることができる。1898年(明治三一)3月是庵の道具入札の際金五千百六十円で落札され、数年後赤星弥之助に渡り、1917年(大正六)6月赤星家第一回入札の折八万二千円で落札されて大阪阪上新次郎家に納まった。(『大正名器鑑』)

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