ゴム版絵付 ゴムばんえつけ

marusankakusikaku
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鶴田 純久の章 お話

ゴム版に絵具を付けて器物に文字や文様を転写する方法。1893年(明治二六)に大倉孫兵衛が初めてこの方法をヨーロッパから伝えたが、当時はその使用法が完全でなかったので製品のマークを付けるなどにすぎず、一般に普及するまでには至らなかった。その後1913年(大正二)に至って日本陶器合名会社の大倉和親はヨーロッパ視察によって海綿質ゴム台の使用法を伝え、さらに研究を重ねて精緻な印画をなすに至ったので、単でしかもすぐれた絵付方法として1918、9年(大正七、八)頃から広く一般に行なわれるようになった。その長所は製版費に多額の費用を要せず、また複雑な模様をも多数の版に分解して分業的に工人に押させることができ、工程が非常に早いこと。しかしゴム版の性質上、絵具の付着が十分でなく仕上がりが手描きのものに劣るのはやむをえない短所である。

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