師匠坊肩衝 ししょうほうかたつき

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鶴田 純久の章 お話

大名物。唐物肩衝茶入。
奈良東大寺内四聖坊(古来師匠坊または師聖坊にも作る)の什物であったことからこの名があります。
総体の栗色地の上にところどころ青味のある柿金気釉がむらむらと漂い、黒飴の共色釉のなだれが二ヵ所、また柿金気釉のなだれがIヵ所あります。
外観は極めて沈着な茶入であります。
伝来の経路は次のようであります。
奈良四聖ヽ坊、徳川家康、山内一豊(1603、慶長八年)、徳川幕府(1605、慶長十年に山内忠義が襲封御礼として献上)、藤堂高虎(コハ一六、元和二年)、幕府(一六二I、元和七年に藤堂高次が献上)、酒井忠勝(1635、寛永ご一年)、幕府、紀州侯二代光貞(1679、延宝七年)、幕府、前田綱紀二702、元禄一五年)、以来加賀家の重宝でありました。
(『茶器名物集』『松屋筆記』『東山御物内別帳』『玩貨名物記』『寛政重修諸家譜』『古名物記』『大正名器鑑』)

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