Two-color glazed ware: small jar. Excavated at Okinoshima, Genkai-machi, Fukuoka. 8th century. Height 5.7cm. Munakata Taisha.
福岡県宗像市沖ノ島出土
8世紀
高さ5.7cm 口径3.6cm 胴径7.2cm 底径3.6cm
宗像大社
沖ノ島は玄海灘に面した孤島であり、大陸への海上交通の要衝に当たっていて、古墳時代以来の著名な祭祀遺跡です。ここからは多数の祭祀遺物に混じって、三彩小壺二箇、二彩小壺八箇 二彩蓋五箇のほか、唐三彩の水瓶片が出ています。従来、日本の各地から発見されているこの種の小壺はほとんど三彩釉を施したもので、二彩釉のものは長野県佐久市前山中道遺跡の蓋一箇のみです。沖ノ島出土の二彩小壺は胴長の器形で、底部は高台がなく、糸切底のままである点が、三彩小壺と器形的に異なっています。施釉手法は胴を四方に分かって三段に緑釉円弧を段ちがいに描いていますが、手法的には三彩小壺と同一であり、とくに時代を降す根拠に乏しいです。8世紀のうちにその製作年代を考えるべきでしょう。