Tamba ware: water jar of Onioke shape. 16th century. Height 19.2cm.
16世紀
高さ19.2cm 口径19.1～19.9cm 底径15.8cm
備前が他の窯業地に先んじて、天文ごろから茶陶をさかんに焼き始めたのに対して、近接した窯業地でありながら、丹波では室町時代の茶陶にみるべきものはほとんどありません。この桶はおそらく備前の影響をうけ、水指として焼かれたごく初期のものでしょう。紐土巻き上げづくりで、器面全体に櫛を縦に用いて整形していますが、櫛目を波立たせているのは一種の装飾効果をねらったものでしょうか。
口縁から少し下にXの窯印がある。焼成きわめて良く、赤褐色の器肌に濃緑の自然釉が被り、数条流下して景色を添えています。数少な丹波茶陶の初期の優品です。底裏に輪状の焼台か他の器物の重ね焼痕がある。
