高さ7.9cm 口径38.4cm 底径22.3cm 箱根美術館
俗に百唐子図と称されている伊万里型物の代表的な作例で、この種の型物には大鉢は少ない。見込には「寿」の字を緑で枠どりした文様の内に収め、回りには屋内で遊ぶ唐子の図がこまやかにあらわされている。赤と金を基調にした上絵はこの種の型物の典型的な配色であり、唐子の筆致もなかなか的確なものである。外側には二方に寿字の枠取り文様を配し、回りこ嘉靖金襴手風の瓔珞文があらわされ、高台内に「大明萬暦年製」の染付銘が二重円圏内に書され、目跡が八個残っている。古赤絵金襴手を基調としながら、独特の意匠が考案されたことを示している。