皆の川 みなのがわ

marusankakusikaku
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鶴田 純久の章 お話

中興名物。破風窯茶入、皆の川手本歌。
銘は小堀遠州の撰、「行く春の流れて早きみなの川霞の淵にくもる月影」(藤川百首色紙)の歌によります。
口造りは玉縁、甑がなく、廂肩で肩先が張り、以下次第にすぼまり、こまかい縦箆が全体を巡ります。
底際まで釉が掛かり、一部に火間もしくは白鼠色の土を見せ、糸切は荒くその上にぎざぎざと箆つくりがあって鮮明を欠きます。
総体に渋紙色が濃厚で栗色とてもいえましょうか。
光沢が見事であります。
口縁から幅広い黄釉なだれが一つ置形胴に至って止まり、それより以下腰のあたりまで点々と釉飛びがあります。
この置形に向かって左に二段になだれた黄釉がやや青味を帯びており、釉掛かりは非常に厚いです。
要するに栗色地で光沢が麗しく黄釉もまたI段と見事な大佗び茶入であります。
もと仙台藩主松平陸奥守所持、堀田相模守(宝暦)、京都三井宗披、再び堀田家(1783、天明三年)、土井大炊頭(1784、天明四年頃)、江戸鹿島清左衛門、銀座誉田源左衛門、芳町油屋、山澄力蔵を経て三井三郎助に入り、以来同家に伝わりました。
(『名物記』『古今名物類聚』『麟鳳亀龍』『大正名器鑑』)

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