中国磁器釉色の形容の一つ。
慰豆に似た釉色をいいます。
慰豆はわが国のささげのこと。
祭紅から変化してきたもので、純紅で斑のないものもあるようで、緑苔点または大片の緑斑のあるものもあります。
康煕(1662i1722)の款のあるものが最も多いようです。
雍正(1723-35)の款のあるものは、その釉が底豆紅と変わらないのに雍正祭紅と呼ばれています。
底豆の色が濁って薄黒いものは俗に乳鼠皮といい値は特に低いです。
色がやや深いものは雲豆色に入り、紫に近いものは茄皮色に入ります。
虹豆紅の貴ぶべき点は、螢潤比較を絶し、鮮かなようでもあり暗いようでもあるようで、まさにその間にあるかのような点にあります。
その妙なることは実に形容し難いです。
(『飲流斎説甕』)