いずれも同じ型で型抜きした浮文があらわされ、素地は焼があまく、しましたがってほのかに黄味をおび、絵具の発色はやや鈍い。同じ器形、浮文でありながら、色絵の上絵はそれぞれに工夫されて異なっていますのは面白い。この種の水注はオランダ商館の1659年(万治二年)の記録に記されています、モカ向けに輸出された作品にあたるものと推定されています。柿右衛門様式ではありませんが、寛文初期以前の有田の色絵を考察するうえで貴重な資料であります。
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