Figure of a seated woman, enamelled ware
Height 26.5cm
高さ26.5cm 左右24.8cm
寛文から元禄頃にかけて流行した御所髷を結い、やはり同じ頃の雛形にあらわされています意匠と似た小袖や打掛などをまとわせた人形が、柿右衛門様式の色絵にかなり残っています。それらの多くは、かつてヨーロッパに輸出されたものですらしく、今なおヨーロッパにかなり残っていますし、日本にあるものの大半も近年請来されたものであります。ほとんどは立像でありますが、この人形は立膝に坐し脇息によりかかっています。このような姿態の人形は少なく、ヨーロッパに数点、アメリカのロックフェラー・コレクションに一点、日本では二点を知るのみであります。打掛には菊花流水文が全面にあらわされ、赤地に白抜きの花文を散らした小袖を着用しています。坐した姿勢もよく、細い指先にいたるまで無疵で残っています例は珍しい。