Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵 菊水文 花入
色絵 菊水文 花入

Vase with chysanthemum and water stream design, enamelled ware
Umezawa Kinen-kan Museum
Height 33.2cm
高さ33.2cm 口径19.4cm 底径9.4cm
 梅沢記念館
 いわゆる古銅の薄端を模した花入で、柿右衛門様式の色絵としては他に類を見ない優麗な作振りであります。低く立ち上がった口縁の外側に、小さな擂座を十九個配して金彩を施し、まわりを赤の菊花で囲んで緑の唐草風の葉を添えるなど、きめの細やかな作為を示しています。細く引き締まった胴の中央には二条の浮線をめぐらし、上部から裾にかけて、三筋の流水に菊花と紅葉を散らしています。上絵はどの色も鮮やかに発色していますが、流水の薄瑠璃色は柿右衛門様式の色絵としては浅い色調で、鍋島のそれに近い。滑らかな白磁の素地膚はほのかに青味があり、やや広い高台畳付は露胎で赤味をおびています。作振りから推して元禄、享保の間に特別注文によって作製されたものと考えられます。

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