Mokubei: bowl with peach and melon design, enamelled ware
Mouth diameter 24.0cm
Museum Yamato Bunkakan
高さ10.8cm 口径 24.0cm
大和文華館
木米は文化三、四年に金沢の郊外春日山に築窯して製陶を指導し、その作品には「金城精製」 または 「金府新製」 などの銘を書いたり、刻したりしています。この鉢は高台内に 「金城精製」 と木米自身が朱書した 春日山窯における木米の傑作で、作行きは中国で明、清時代に行われた素三彩の技法を倣い、ことに康熙年間に流行した黒彩に極めて類似している。
口縁に赤上絵をめぐらせて縁紅にし、内面見込には桃果の折枝文円窓内に、内側と外側四方に瓜の文様を配し、間に葉をあしらっています。それぞれの文様は黒骨描きに黄、紫、緑の上絵釉をかけていますが、珍しいのは地を黒く塗りつぶしていることで、その配色は独特の雰囲気があり、作陶に研究心の旺盛であった木米ならではのものといえます。その黒地は、黒の上に緑の絵具を二重がけしたものです。素地はわずかに鉄分を含み、その上に白釉をかけていますが、完全な磁質に焼き上がっていません。