道光窯 どうこうよう

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鶴田 純久の章 お話

中国清朝の宣宗在位三十年間道光年代(一八二I-50)の官窯。
清朝磁器の最後の盛代といえ、作品に見るべきものがあります。
康煕・雍正(1662-1735)の渋味のある単彩釉と染付ものに着目し、単彩のものにおいては虹豆紅などは乾隆(1736-95)のそれを遥かに凌駕し雍正の御物を彷彿させ、染付においては康煕の成化写しのような黒味のある雲南呉須の太い線描のものと、雍正の宣徳写しのような回青の細い線の唐草模様のあるものとが注目されます。
緑五彩にもまた優秀な作品があります。
青磁に粉彩を施したものでは、過枝九桃福禄寿の文様などは乾隆以後歴朝に皆この種のものはありますが、道光年製は出色の出来であります。
また粉彩の鼻炳壺に特に優品のあることはホブソンも特筆しているところであります。
款識はほぼ前朝の諸式に従い、その様式は減ってはいるかおおむね同一といっていい状況にあります。
まま楷書があるようで、大清道光年製の三字二行と二字三行とがあります。
四字の楷書で大清の二字を省いたものは非常にまれで、ただ篆書の款にこれかおるのみであります。
親貴諸王の私窯には慎徳堂・植本堂・有恒堂・十硯斎・箭竹主人・文甫珍元などの款識のあるものかおります。
そのうち慎徳堂製の二字二行、慎徳堂博古製の三字二行の染付の肉太の楷書の款のあるものに、染付や赤絵に傑出した名品を多く残しています。
なお道光年間の特色とみるべきものに、王佐廷作・王炳栄作と作者の款のある瓶鉢皿などの小品かおります。
密画の景色を描き、もしくは赤漆器の製にみられるような緻密な彫刻を深く器面に施してあります。
その表面は一般に不透明の緑色あるいは黄色の単彩釉を施すのを常としますが、時として白壌の素焼のままのものもあります。
『飲流斎説甕』『支那陶磁の時代的研究』『支那陶磁全書』

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