品目:青唐津 半筒ぐい呑 鶴田 純久作
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◇寸法 長径:約7.3センチ × 高さ:約5.2センチ 重さ:約130グラム
◇このぐい呑は、やや小さめの半筒のぐい呑です。砂気の多い土で手練で作られているため胴回りの罅や口周りの歪さが生じ楽茶碗風に仕上がっています。
◇上薬は薄い鮮やかなグリーンの色で、釉の濃淡と胎土の砂気とで相俟って景色を醸し出しています。正面には火が直接当たったのか窯変が出て黒くこげが出ています。
◇高台周りも砂気の多さが読み取れ、縮緬皺など土の動きが絶妙で火に焼けた肌色が絶妙です。ほんのりと貝高台の跡も残っています。
◇ひび割れは上薬で塞がっていますので水漏れは生じません。また砂気のざらつきはさほど見た目よりひどくなく心地よい刺激ぐらいの手触りです。
—–予備説明—–
◇青唐津(あおからつ)とは、一般に古唐津の窯で上等品でない器にこの手の上薬を施し焼いていたようで、上薬の生成過程でも粗末なもので不純物の多い土灰と土石類とを混ぜ合わせ、量産ものに使われたようです。普通は暗い緑が多いようでが、たまたまこれが還元炎で焼かれているとグリーンの青磁色に発色して綺麗なグリーンになります。現代ではその素朴さ故に野武士のような唐津とかみ合って、人々には癒やしの色として映り探求されています。土の色とか窯の焼成方法でいろんな色に変化しそれが見所になっています。
◇貝高台(かいこうだい)とは、単体では高温で溶けることのない石灰石、その成分で出来た貝を器とハマや窯床との間に敷き宙に浮いた状態でお互いの焼き付きをなくす役割をします。焼成後は湿気で粉状になり簡単につぶすことが可能ですので後処理が簡単であることが、昔から窯道具としてよく使われていた所以でしょう。単体で溶けない石灰石ですが貝殻の塩基成分とかみ合って土と溶け合い貝殻の跡がくっきりと残ります。その溶けて残った跡を装飾の意味で貝高台と称しています。
片口の水切り
古唐津古窯跡地でほぼ共通しています。大きさや焼方は色々有るけれども片口の作り方は同じようです。水切りは抜群に機能しています。現在は装飾のため片口が造られていますが、元々用をなすために造られた片口で四百年前はそれが当たり