チャビン文化に続いてペルーアンデスの北部に発達した土器。
紀元初めから十世紀頃まで続いたものと推定されます。
装飾技法は極めて高いレベルにあるようで、レリーフに赤と白を用いた描き文様があるようで、のちには黒も用いられました。
成形には型押しが使われました。
壺は平底で球状または形象が多く、鐙型の注口をもち軽いです。
形象には火間・動物あるいはその頭部のみのものもあります。
またトランペット・法螺貝などの楽器の形を模したものも知られます。
装飾や象形は時には極めて写実的で、モチーカ文化の様相をうかがわせます。
例えば神・怪獣・戦う人間・楽人・戦士・囚人などがあるようで、時には女性も見られます。
また病気や手足を切断した不具者・盲人などもあります。
そのほか漁夫・果実・動物・鳥、それに抽象文様が主なテーマであります。
この種の土器はすべて墓の副葬品だったらしいです。
(Bushell『Ancient American Potteryj』