色絵 紗綾形文 瓢形 徳利

色絵 紗綾形文 瓢形 徳利
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鶴田 純久の章 お話

 古九谷様式の作品のなかでも、ことに茶人たちの間で声価の高いものに瓢形の徳利があります。茶室での懐石にふさわしい寸法ですこと渋いものが多い茶室で瓢形徳利の瀟洒な色調がよく調和するからでしょう。丸形、捻形、八角などの三種の器形のものがあり、なかでは捻花浮文に捻文様をあらわしたものが特に評価が高い。祥瑞の瓢形徳利を範としたものでありますが、赤を主調にした上絵文様が施されています。色絵紗綾形文瓢形徳利は八角面取瓢形の代表作。色絵桜川捻文瓢形徳利は捻文様に桜川 唐草 篭目文、紗綾形文などが配され、この手の徳利のなかではもっとも艶やかなもの。色絵双鳥文瓢形徳利は枝に双鳥を宿らせた文様を二方に、他の二方には山水文をあらわし、他は紗綾形や七宝地文で埋めています。色絵葡萄丸文瓢形徳利は染付を用いずに祥瑞風丸文を上下に配し、ことに下の丸文内には唐獅子に牡丹文や竹虎文をあらわし、丸文と丸文の間に葡萄唐草文を描いています。色絵捻文瓢形徳利も一対見事に揃った徳利で、祥瑞風に古赤絵風が加わった珍しい意匠のもので、捻文様徳利の優作であります。

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