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鶴田 純久の章 お話

釉中に燐酸分が入ると乳濁を起こすので、燐酸石灰を多量に含む骨灰は低火度釉の乳白剤として使用される。しかし多量に用いたり高火度釉に使用すると、光沢を失ったりピンホールや釉飛びを起こす。また古くからつくられているイギリスなどの骨灰磁器は、熔剤として骨灰を混合し、かつ焼成後白色を呈する性質を得ている。骨灰はどの動物の骨でも差し支えないが、現在ではすべて牛骨が使われている。これは不純物としての酸化鉄が少ないからである。牛骨を熱湯で煮沸し、乾燥してから白色部分がわずかに残る程度に焼して使用する。完全に白色となるまで焼くと坏土の可塑性が損われる。骨灰には燐酸カルシウムとして75パーセント以上含有するものがある。(『工芸用陶磁器』)

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