Corinth陶器 コリントとうき

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鶴田 純久の章 お話

ギリシアの壺の一連の歴史の中で屈曲点に当たるものがコリント陶器である。紀元前八世紀以来エーゲ海から東地中海にわたり、ギリシアの植民と貿易活動が盛んになった時、コリントを中心とす各地にオリエント系の文化が多く導入された。
新しい文様として鳥・動物・グリフィンなどの怪獣・人物・植物が用いられ始め、またオリエント風の列像式や対偶式の構図が使われるようになった。しかし器形や描写は厳正な幾何学的性格を変えなかった。文様の意味を説く文字や画工の名を入れる風もこの頃に始まった。紀元前七世紀になると画工ブタデスが発明したと伝える赤が目立って用いられ、描写はさらに写実性・叙事性を強くし、陶額さえもつくられるようになった。画工としてティモニダス、ミロニダスらが知られる。これらの陶器はコリントから各地へ輸出されてそれぞれに影響を与えた。

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