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鶴田 純久の章 お話
灰釉 平瓶
灰釉 平瓶

Ash glaze pottery horizontal jar. Excavated from Kurozasa No.14 Ceramic Kiln, Tōgō-machi, Aichi. 9th century. Diameter 20.2cm. Aichi PrefecturalCeramic Museum.
愛知県愛知郡東郷町大字諸輪字百々黒笹14号窯出土
9世紀
高さ14.0cm 口径8.2cm 胴径20.2cm 底径13.0cm
愛知県陶磁資料館
 奈良時代の終りごろ、極端に胴の扁平になった平瓶は、その直後に、胴部上面に把手が付き、高台が設けられるようになりますと、ふたたび大形化にむかいました。9世紀から10世紀にかけて底部が大きくなるとともに、胴の高さが増し、把手も幅広いしっかりしたものになりました。本器は胴に亀裂が入ったため、焚口付近に棄てられていたものですが、よく完好な形を保っています。白色細緻な良質の土を用い 精巧な轆轤水挽きとシャープな箟使いによって、安定感に富んだ形に仕上げています。焼き上がりはきわめてよく、酸化焰にちかい焼成によって、把手および胴部上面にかかった原始灰釉は黄緑色を呈しています。猿投窯産灰釉陶器の代表的な作品の一つです。

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