口径22.2cm
出光美術館
素直に立ち上がった鉢で、 高台は低く片薄にざんぐりと削り出されています。 胴の二方と見込にかけて、 蕾をつけた梅らしい樹木の文様が力強く描かれています。 絵唐津鉢の優作の一つで、おそらく甕屋の谷の作と推測されます。口縁には覆輪をつけています。
絵唐津梅樹文鉢
口径22.2㎝
高台径8.9㎝
出光美術館
図版だけで見ると茶碗のよりに思えるかもしれないが、ロの広い大振りの鉢であります。
しかし作りは素直な碗形で癖がなく、高台は低くどっしりとしていて安定感があり、胴の両面と見込にまで、花をつけた梅の姿がたっぶりと描き込まれています。
初期の絵唐津には、むしろ絵の量の少ないものの方が多いので、その点から見てもこの鉢のような例は珍しいし、絵の姿も落着いています。
長石で白濁した釉が、その穏やかさをいやましているようです。
口緑は皮鯨のように見えるが、補強のために覆輪をかけ回したものであります。