高さ8.0cm 口径22.1cm 底径11.4㎝
口部を八角にした作品で、型物のなかでも最も格調の高い作品である。内外を八方割にして、四面に瑠璃地に白抜きで丸文、他の四面には赤地に自抜きで丸文を配し、その丸文内に青海波文、七宝文、さらに牡丹などの草花文をあらわしている。見込には染付で飛鳳丸文を五個あらわしているが、その飛鳳丸文は一般に柿右衛門手染付と呼ばれている小鉢などに共通したものがある。高台内に、二重円圏内に「大明萬暦年製」銘が染付であらわされているが、万暦風というよりはむしろ嘉靖の作風をよく伝えた作品といえる。