普通に酸化鉄というのは酸化第二鉄のことであるようで、他に亜酸化鉄としての酸化第一鉄や、水酸化鉄・亜酸化酸化鉄などがあります。
たいていの土石料には多少の鉄分が含まれており、その焼成品に汚色を与えますが、これを彩料とした釉薬は、酸化焼成で淡黄色から赤褐色を、還元焼成では明灰色から黒色または青緑色を呈します。
またそれらに結晶を呈する場合もあります。
なお上絵具としては祖黄色・赤色などに賞用されています。
従来普通の鉄質彩料としては、黄色粘土(水落)・褐鉄鉱(鬼板)・鉄砂(黒浜)などが採用されてきたが、肥前上絵の赤には硫酸鉄(緑磐)を焼いた酸化鉄を用いています。
(塩田力蔵)