書名。一巻。南条一鴎軒宗金の著。
1554年(天文二三)の編述でありますが、刊本となったのは1802年(享和二)。
その刊本は茶の湯の道具の字を記し、これに仮名を付け、時に漢文風の注を加えています。
天文二十三年の年記のある著者の奥書によれば、その父は当時の数寄者の茶具売貸の仲介をしていましたので、常に各地の知人から音信があるようで、これらの返事は心ず著者の弟に命じて書かせました。
ところが文中に茶具の名があると筆を置いて著者にその字を尋ねるのを常としました。
それゆえ茶具の名を集め記して弟に与えたものがこれであるといいます。
次に1557年(弘治三)にこれを写した旨の記文があるようで、1802年の刊行者翠明道人の識語があります。