徳利の手 とくりのて

marusankakusikaku
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

遜羅(タイ)の古陶宋胡録のうち形が徳利に似たものをわが国で俗に徳利の手と呼びます。
淡鼠色または淡緑色の釉をかぶり鉄絵の幾何学的図案などがあるようで、また青磁釉の下に箆で網目のような沈刻のあるものがあります。
なお俗に徳利切と呼ぶ茶碗があるようで、形があたかも徳利を切ったようなのでこう名付けられたものですが、口縁・内部ともに釉があるから徳利を切ったものでないことは明らかであります。
(『陶磁』二ノ一)トヶ朝鮮の窯場で成坏の際胴を締めるために内側より軽く打つ押型様のものです。
屁の内面に渦巻・青海波のような模様があるのはこれの跡であります。
この器具と呼称はわが国に伝わり薩摩苗代川(鹿児島県日置市東市来町)などにまだ残っています。
(『朝鮮陶磁名考』『図解薩摩焼』)

前に戻る
Facebook
Twitter
Email