伊奈製陶株式会社は愛知県常滑市字扇面新田に本社と本社工場、各地に分工場を有する建築陶器の総合メーカー。
資本金二十五億円、森村系グル一プの企業集団の一員。
1887年（明治二〇）頃から伊奈初之丞が陶管の製造を開始し、1921年（大正一〇）匿名組合伊奈製陶所を創設して伊奈長三郎が経営に当たり、1924年（同一三）正式に伊奈製陶株式会社として発足しました。
現在建築タイル類・衛生陶器のトップメーカーに発展していますが、合成樹脂製品の生産も盛大を極め、その生産品の売り上げも毎月二十億円に近いです。
製品の変遷をみますと、大正から昭和初期には陶管電攬管類・タイル類（第一期）、昭和初期から第二次世界大戦にかけてはタイルテラコッタ類・耐酸炻器類（第二期）、戦後はタイル類・衛生陶器・合成樹脂類（第三期）を製造しています。
また伊奈長三郎家は、江戸時代からの名工長三の名家であり、伊奈初之丞（五代）・伊奈長三郎（六代）は工業的な陶磁器生産に従事していますが、名工長三の名は、伊奈家の中から伊奈伍助（日本陶業社長）が五代長三を襲名しています。
