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鶴田 純久の章 お話

中興名物。
真中古茶入、大覚寺手本歌。
証歌は『後撰集』恋歌伊勢「思川たえず流るs水の泡のうたかた人にあはで消えめや」。
もと坂本周斎が所持、東本願寺に伝わり1823年(文政六)同寺失火の際には辛うじて焼け残り、駿河長直がこれを繕って再び同寺の什宝となりました。
1864年(元治元)の春、禁裏御用のため上洛した尾張大納言はこの茶入を枳殻殿で使用したか、同年7月同殿が兵火にかかりこの茶入は再び火の洗礼を受けました。
翌1865年(慶応元)9月枳殻殿の再建に際して駿河長直に賜り、以来その子孫の石原家に伝わりました。
二度の火災に遭ったわりには破損もなく無難に原状を保持しています。
(『茶入図解』『大正名器鑑』)

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