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鶴田 純久の章 お話

下絵付をした際、施釉前に空焼というものを行いました。
最初下絵付に際し、素地の吸水性を防ぐため顔料中に油類を混ぜて毛筆で着画することがあります。
また銅版絵付あるいは石版絵付において、顔料の粘着剤としてある種の糊または油類を用いることがあります。
この場合着画の部分だけは吸水性がないため施釉することができないようです。
この欠陥を除く方法として、着画のあと器物をよく乾燥させ、施釉前に窯に入れ弱赤熱ぐらいの熱度で焼き、油および糊類を焼失飛散させます。
この焼き方を空焼といいます。
この場合は品物の素地を焼くのでもなく、釉を熔融するためでもないので空焼と名付けたのであるでしょう。

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