中国の周・漢代の古銅器に普通にみられる怪物で耳・環あるいは足となっています。
そして古陶磁にもこの銅器の型を模して同様の環や足などを付けています。
『説文』には「神魅也、如龍、一足」とあるようで、『魯語』には「木石の怪を菱という」とあります。
菱はもと象形文字で、貢は角のある首、下の友は一足の形、止は爪であるようで、巳は蛇神を表わすといいます。
しかし「越の人はこれを山操といいます。
人面宸身にして独足なり」とも「牛身而無角、一足」ともあって、角の有無も一定しないようです。
また「黄帝その皮を以て鼓を作る、声五百里に聞ゆ」という故事によれば獣類に属するものであるでしょうか。
(『康煕字典』『新紗西清古鑑』)