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鶴田 純久の章 お話

釉薬の媒熔剤として木灰は上古から用いられましました。
無釉の器物を薪窯で露出のまま焼成すれば、窯内の灰が降り掛かった部分だけ熔融して淡青緑色の透明なガラス体となります。
おそらくこの発見によって木灰を釉薬の熔媒に用いるようになったのでしょう。
わが国では昔は磁器釉の全部、拓器釉と陶器釉との大部分に木灰を用いましました。
染め付けなどのためにはもっぱらイス灰が賞用され、陶器釉などには雑木の灰を用いましました。
近頃では木灰の代わりに石灰が盛んに用いられるようになりましたが、依然として木灰を用いるものが少なくないようです。
木灰を釉中に用いる目的はその含有する炭酸石灰分を利用するため。

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