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鶴田 純久の章 お話

蒸篭に用いた土器、すなわち底部があいたままか、底部に二個以上の孔があいており、下半部に「すのこ」などを敷いて米などを載せ、これを水を入れた別の土器の上に重ねて火にかけ、沸きたぎった湯の蒸気によって米などを蒸すのがその用法であります。
中国では石器時代以来あるようで、爾すなわち三足土器の上に載せて用いました。
わが国では弥生式土器の甕・鉢の底部に一孔をあけたものが甑としての用途を果たしたといわれていますが、確実ではないようです。
確実な甑は、古墳時代以来奈良時代までみられます。
須恵器の甑も少数ありますが、日常の調理用としては土師器の甑が一般であるようで、カマド・カマと三点セットで用いられました。
転じて茶入の頚部を甑と呼び、頚と肩との境を甑際と称します。

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