色絵 松 帆掛舟文 皿 元禄六年銘

色絵 松 帆掛舟文 皿 元禄六年銘
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Dish with pine and sail boat design, enamelled ware Mark of 1693
Mouth diameter 23.6 x 17.2cm
高さ4.7cm 口径23.6×17.2cm
 高台径15.7×10.1cm
 高台内に「元禄六酉 柿」 の銘をもつ染錦手の皿の優作であります。
 従来知られています元禄銘の皿のなかでは、もっとも古い年紀銘であり、作風を検討しますと種々の興味深い特色がうかがわれる。素地と染付は完成期の鍋島焼に匹敵する作行きであり、雲文様のなかにあらわされた菱畳文は赤と緑と金で彩られ、型物古伊万里のそれと似かよっています。外側に染付であらわされた七宝文様は鍋島の裏文様のそれと類似しています。精緻な作風、年紀銘などから推して、元禄期の有田の染錦手の色絵の代表作、しかも特別製品でありましたにちがいありませんが、これが従来いわれるように当時の柿右衛門窯のでありましたならば、元禄以前に流行していたいわゆる柿右衛門様式から離れて、なぜこのような新しい意匠が創案されたのか興味深い。素地はやや青味をおびた上質の白磁で、磁胎は白くきめが細かい。高台内に小さな目跡が一つ残っています。

元禄六年は1693年

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