向付 むこうつけ お向 おむこう 向 むこう

向付
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鶴田 純久の章 お話
向付
向付

向付とは簡単に言いますと、食膳に置く正面という位置からの名称で、正面中央に、主肴の容器として、茶事懐石では終始不動の位置を占めます。
現在の家庭では食卓に膳(折敷)を用いることは少なく、向付、お椀盛、焼肴、煮物と順序を決めることはしませんが、そんな家庭料理にても向付は主要の座に置かれる場合が多いようです。
茶事懐石による向付はいつとなしに常套語として日常茶飯事に呼称しますが、前期の如く最後まで定着するが故に、格別の用意し、四季折々に料理と兼ね合いで品定めするは当然であります。
利休時代の茶事記録によれば、おかずの品数は少なく今日のように数々を振る舞うことはなかったから向付は大振りでした。
現に伝来の志野向付も唐津向付も一個使いして鉢の用に足るものであり、径六寸(19センチ)もの大振りであります。

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