長崎県東彼杵郡波佐見町稗古場にある波佐見焼窯場の一つ。
比恵古場・稗木場ともあります。
1662年(寛文二)本石八郎兵衛らが暗灰粗製の雑器を焼いたのに始まります。
1781年(天明元)一種の氷裂釉を工夫し、青を用いて桃を描いた茶碗をつくって大村藩主に献上しました。
これは以後藩主より長崎奉行を経て幕府へ納めるのが例となりました。
文久・慶応(1861-8)以降肥後国(熊本県)天草小田床村の原石、五島・対馬の土石を取って釉料とし、青花磁器を製作しました。
1873年(明治六)福田伊右衛門が百余年前の型打絵付の器具を検出し、これに倣りました。
(『日本近世窯業史』)