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鶴田 純久の章 お話
須恵器 三耳壺
須恵器 三耳壺

Sue ware: jar with three handles. Excavated at Kashizu, Miyazaki-mura, Fukui. 8th century. Height 12.1cm.
福井県丹生郡越前町大字樫津樫津古窯出土
8世紀
高さ12.1cm 口径8.6cm 胴径14.2cm
 昭和三年、武生から織田にいたる鉄道敷設に際して、樫津古窯跡群の一基から出土したものです。つよく外反する短い口頸部をもった壺で、胴は扁円形で底部はやや外反になっていて安定はよいです。
 肩に先の尖った鍵形の耳が三個ついています。やや砂質の耐火度の高い土で、薄手の精巧な轆轤仕上げをみせています。焼成はさほど堅くなく、肩にかすかに自然釉がかかっていますが、十分熔けるまでにいたっていません。このような三耳を有する小壺はきわめて珍しく、あまり類例をききません。しかし壺瓶の耳に特色をもつ北陸地方の古い耳付壺の一つとして注目すべき作品です。8世紀後半代の作。

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