Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

 この大小二つの鉢は、さらにもう一個の小さい鉢を加えて、三重の入子に作られた鉢です。図216は紫地で一番大きく、図217は中型で黄色を主体に、さらに緑地の花唐草文の小鉢が上に重ねられています。いずれも端反りの鉢で、外側の文様を浮線、内側の文様を刻線で描いています。
 図216は、外側四方に黄と緑の釉で折枝文を四方に配し、間に青い鳥を添え、胴裾には薄青の波文をめぐらし、全体に濃い紫釉をかけています。内側釉下にはかすかに団龍文と宝尽文が唐草風に刻まれています。
 図217は草、鳥、虫を青、薄青、緑、紫の釉で描き、地には黄釉をかけています。内側には瑞鳥と宝尽しを唐草風に刻し、両器ともに高台内には白釉をかけ、高台内中央に 「永楽」 の印が捺されています。

前に戻る
Facebook
Twitter
Email