灰汁。
木灰・竃突灰などを水に浸して取った上澄みで、要するに可溶性アルカリ塩類であります。
陶磁器の釉料に木灰・土灰を用いるのは、それらの含有する炭酸石灰分を利用することにあります。
可溶性アルカリ塩類は釉に有害であるためこれを除去しなければならず、熱湯で洗熊していわゆるあく抜きを行いました。
慶応年間(1865-8)の陶法書の五条坂と粟田の釉の調合のうちに「悪」とあるのは、すなわちあく抜きをした土灰で、これに悪の字を当てるのはおそらく五条坂と栗田との専用であったろう。
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