Bizen Flower vase with sangi (dividing blocks) design
高さ24.5cm 口径6.5cm 胴径8.5×9.0cm 底径6.7×7.1cm
初期伊部手の花生で、形は明らかに砧青磁などに見る算木手を倣ったものでしょう。このように唐物写しの花生が備前ではかなり焼かれています。これらは概念的には桃山時代後期の作とされていますが、意外に早く、おそらく室町時代末期から焼造されていたように思われます。口部から肩にかけてやや厚く、胴にも薄く灰釉が降りかかり、高台内を除いた全面には塗土を施していますが、塗土をした甕で元亀銘 のものがあるから、備前で塗土をした伊部手は明らかに室町時代末期にすでに行なわれていたのでしょう。算木手花生にもやや厚手で古格を感じさせるものと、そうでないものとがあり、室町時代末期から桃山時代、さらに江戸初期にかけて焼かれていたのではなかろうか。これは高台内に窯印が箆彫りされています。